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【ローライ製品小売価格表】昭和36年バルコム貿易発行の貴重な資料/Rollei Products Retail Price List

This document is a retail price list for Rollei products in Japan as of January 1961 (Showa 36), issued by the importer, Balcom Trading Co., Ltd. It is highly detailed, providing comprehensive pricing and model numbers for everything from camera bodies to accessories.

この資料は昭和36年(1961年)1月時点のローライ(Rollei)製品の日本向け小売価格表で、輸入代理店「バルコム貿易株式会社」が発行したものだ。内容は非常に詳細でカメラ本体からアクセサリー類まで網羅的に価格と型番が記載されている。

館長の購入記録
・購入日:2025/08/09
・購入場所:Yahoo!オークション
・購入価格:¥1,490

DATA/データ

  • Publication Year: As of January 1961 (Showa 36)
  • Title: Rollei Products Retail Price List (PRICE LIST 5907)
  • Publisher: Balcom Trading Co., Ltd. (Chiyoda-ku, Tokyo)
  • Contents: Camera bodies, projectors, interchangeable lenses, filters, cases, special accessories
  • Compatible Models: Rolleicord Va, Rolleiflex T, Rolleiflex 3.5F, Rolleiflex 2.8 series, Tele-Rolleiflex, etc.
  • Price Notation: Japanese yen (in yen units, excluding tax)

Part of the contents

昭和36年発行の『ローライ製品小売価格表』を読み解く

  • 戦後日本でのローライ製品の位置づけ
  • 価格体系とモデル構成
  • アクセサリーの充実とシステム化
  • 歴史的価値と現代的意義
  • タイトルに記載された「5907」の意味

戦後日本でのローライ製品の位置づけ

昭和36年(1961年)に発行されたローライ小売価格表は日本のカメラ史において極めて重要な資料である。当時のローライはプロフェッショナルやハイアマチュアの憧れであり、価格表からは高級機としての立ち位置が鮮明に読み取れる。価格は大卒初任給の数か月分に相当し、一般消費者にとっては容易に手が届く存在ではなかった。輸入代理店バルコム貿易株式会社が販売窓口を担い、品番とコード体系による明確な注文方式を採用していた点も興味深い。

価格体系とモデル構成

価格表にはRolleicord VaやRolleiflex T、さらに上位モデルのRolleiflex 3.5Fや2.8シリーズ、特殊用途のTele-Rolleiflexなどが掲載されている。露出計の有無や搭載レンズ(Xenar、Tessar、Planar、Xenotar)によって価格差が明確に設定されていた。例えばRolleiflex 3.5Fは¥110,000~¥117,600、2.8シリーズは¥125,000以上と、いずれも当時の国産中級機を大きく上回る価格帯である。

アクセサリーの充実とシステム化

本価格表はカメラ本体だけでなく、プロジェクター、交換レンズ、フィルター、ケース、パノラマヘッド、水中撮影用ハウジング(Rollei-Marin)など多岐にわたるアクセサリーが細かく記載されている。Rolleiは撮影から映写、特殊用途まで一貫してサポートできる完全なシステムを構築しており、この点が他メーカーとの差別化要因であった。一方でアクセサリーも高額であり、フルセットを揃えるには相当な投資が必要だった。

歴史的価値と現代的意義

この価格表は単なる販売資料以上の価値を持つ。1960年代初頭の日本市場における輸入高級カメラの価格感覚、商品構成、マーケティング戦略を示す一次資料である。現在ではコレクション価値が高く、当時のローライのブランド力や技術的優位性を知る上で貴重な手がかりとなる。

タイトルに記載された「5907」の意味

おそらく「5907」はローライや輸入代理店が内部的に使っていた版数・発行識別コードだろう。
1960年代の海外メーカーや代理店の価格表・カタログには年月とは直接関係しない4桁の番号が振られることが多く、これは次のような役割を持っていた。

  1. 印刷物管理番号
    • 社内で「どの版の価格表か」を区別するための連番やコード。
    • 新価格や新モデル追加のたびに番号を更新。
  2. 海外本社の資料番号とのリンク
    • ドイツ本社ローライが作成した英語またはドイツ語版価格表に元々付いていた番号を、日本語版にも引き継いでいる可能性。
  3. カタログシリーズの一部
    • カタログやマニュアル類を体系的に管理するために付けられる「資料ID」の一種。

「5907」は1961年1月発行という日付そのものを表す数字ではなく、この価格表がどの版・どの資料シリーズに属するかを示す固有の識別番号と考えられる。

バルコム貿易のローライ小売価格表を徹底解析

  • 表紙
  • カメラ本体とプロジェクター
  • 代表的カメラシリーズ
  • 高級モデル
  • バヨネットマウントアクセサリー
  • その他のアクセサリー
  • 特徴と時代背景

表紙

  • タイトル:ローライ製品小売定価表 PRICE LIST 5907
  • 年代:昭和36年1月現在(1961年)
  • イラスト:二眼レフカメラの正面・背面・上部からの図が並ぶ
  • 発行元:バルコム貿易株式会社(東京・千代田区)

カメラ本体とプロジェクター

  • Rollei Magic 2 ¼ × 2 ¼ Bayonet Size II(自動露出制御、Xenar 3.5/75mm)
    • 本体価格 ¥67,000
    • 専用ケース、フラッシュ、マスクセットなどが別売。
  • Automatic Universal Projector(2×2インチ・Super Slide・ミニチュア対応)
    • プロジェクションレンズ HEIDOSMAT 各種(110mm, 150mm, 250mm)
    • 価格は¥63,800(本体のみ)~¥112,500(高倍率レンズ付き)

代表的カメラシリーズ

Rolleicord Va(6×6cm、Bayonet Size I)

  • Xenar 3.5/75mm、シャッター1/500秒、EVスケール搭載
  • 本体価格 ¥52,000
  • 金属エブレディケース(防湿剤入り)¥11,680
  • 16/24コマ用のマスクセットあり

Rolleiflex 4×4

  • Xenar 3.5/60mm
  • 本体価格 ¥55,000
  • 小型エブレディケースやネックストラップなどが付属品として別売

Rolleiflex T(6×6cm)

  • Tessar 3.5/75mm、露出計有無で価格差あり
  • ¥71,000(露出計なし) / ¥82,000(露出計付き)

高級モデル

Rolleiflex 3.5F

  • Xenotar / Planar 3.5/75mm、露出計付き
  • 本体価格 ¥110,000~¥117,600(レンズ種類で変動)

Rolleiflex 2.8(Bayonet Size III)

  • Xenotar / Planar 2.8/80mm
  • 本体価格 ¥125,000(Xenotar) / ¥135,000(Planar)

Tele-Rolleiflex(望遠専用)

  • Sonnar 4/135mm
  • 本体価格 ¥143,800(露出計なし) / ¥156,800(露出計付き)

バヨネットマウントアクセサリー

  • ローリールックス(露出計+フード一体型)
  • ローリーナーレンズ(パララックス補正付き3セット)
  • 白黒用フィルター(黄・緑・オレンジ・赤・青・赤外・UV・ND)
  • カラーフィルター(R・B 系列)

その他のアクセサリー

  • 皮ケース(レンズフードやフィルターセット収納可能)
  • RolleiFlash 2 関連品(ケーブル、アタッチメント)
  • 金属エブレディケース(防湿剤付き)
  • パノラマヘッド
  • Rollei Pistol Grip(ピストルグリップ型ホルダー)
  • Rolleikin(35mmフィルムアダプター)
  • Rollei-Marin(水中撮影用ハウジング)

特徴と時代背景

1961年当時の日本においてローライ製品は非常に高額な存在であり、例えばRolleiflex 3.5Fの価格¥110,000は大卒初任給の数か月分に相当した。その価格差の大きさは「露出計付き」と「露出計なし」のモデル間でも顕著であり、これは電子化が進む直前の機械式高級カメラ時代を象徴している。また、アクセサリー類が極めて充実しており、プロフェッショナルやハイアマチュアを主な対象とした完全なシステム構成が整えられていたことが伺える。なお、この価格表の形式やコード体系はドイツ本社の資料を日本語化したもので品番とコードを用いて注文できる仕組みが採用されている。

総括:バルコム貿易発行|ローライ小売価格表が語る時代の記録

昭和36年発行のローライ小売価格表は単なる製品リストではなく、高級カメラが持っていた特別な価値や文化的背景を映し出す貴重な資料である。価格や製品構成からは当時の市場におけるローライの圧倒的なブランド力とシステムカメラとしての完成度がうかがえる。その高価格ゆえに限られた層にしか手にできなかった現実も示しており、日本の写真文化と経済状況を知る手がかりとしても意義深いものだ。

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