愛機のメンテナンスを自分で行いたい方々へ、この記事ではローライフレックスの基本的な「分解・洗浄」方法を解説していく。
クラシックカメラの魅力に魅せられた多くの方が、ローライフレックスのレストアに挑戦されることであろう。
しかし、精密な二眼レフカメラの修理は専門の技術を要するため、プロに依頼することをお勧めする。
自己責任のもと、基本的な分解・洗浄を楽しむことは結構だが、本格的な修理や調整は専門家に任せるべきである。
それでは、ローライフレックスのレストアにおける分解・洗浄の基本を見ていこう。
レストア=元の状態に戻すこと。復元すること。特に、古くなって傷んだ自動車や家具などを修復すること。
- ローライフレックスの基本的な分解・洗浄方法
- レストアに必要な工具と材料
- レストア作業時の注意点、専門家に任せるべき作業の範囲
- 本格的な修理をプロに任せる重要性
ローライフレックスのレストア①|本体側面の分解
- ①絞り・シャッタースピードを調整
- ②革を剥がす
- ③露出計を外す
- ④クランクレバーを外す
- ⑤各部のネジを外す
①絞り・シャッタースピードを調整
まず、最初に「絞りを22」、「シャッタースピードを1/500秒」にする。
この設定にすることによってカメラに無駄な負担がかからなくなる。
通常の保管時にも、この設定にしておくことをオススメする。
②革を剥がす
張り革を剥がす。
ちなみに革を剥がさないで分解することは不可能である。
革は無理やり剥がすとボロボロになってしまう。
革はまた使うので「無水エタノール」を滲み込ませて剥がしやすくしておく。
剥がす際は「ピンセット」を使用するようにする。
初期のローライフレックスは天然牛革なので、ボロボロになる
③露出計を外す
露出計が付いている機種の場合は露出計を「精密ドライバー」を使って取り外す。
④クランクレバーを外す
クランクレバーの外し方は、レバー根元にある「蝶番」の「芯」を精密ドライバーを使用して打ち出せば外れる。
蝶番= 開き戸や箱のふたなどを自由に開閉するために取り付ける金具。
⑤各部のネジを外す
後は各部を止めているネジを精密ドライバーで全て外せば、側面のカバーを外すことができる。
中は歯車だらけなので、その仕組みに圧倒されると思う。
ローライフレックスのレストア②|本体前面の分解
- ①革を剥がす
- ②各部のネジを外す
- ③レンズを外す
①革を剥がす
側面と同じく、張り革を剥がす。
②各部のネジを外す
革を剥がして、ネジを外せばもうカバーが外れる。
③レンズを外す
レンズはネジ状に締まっているだけなので、回せば外れる。
後はフォーカシングフード&スクリーン、ネームプレートを必要に応じて外せば分解は完了となる。
基本的な分解はここまでである。
プロでもこれ以上の分解はあまりやらない。
(※内部のメカニズム機構まで分解するとなると、プロでも1日かかる)
ローライフレックスのレストア③|部品の洗浄
- ①汚れを拭き取る
- ②グリスを塗る
- ③洗浄にシンナーは使用しない
- ④ベンジンの拭き取り
①汚れを拭き取る
カメラ店で購入できる「キムワイプ」と言う専用ペーパーに”ベンジン”を滲み込ませて、各部品の汚れを拭き取る。
また、Amazon等のネット通販でも購入可能である。
キムワイプ=小さく細かな実験器具や部品の拭き取りなどに使用されるパルプ素材のペーパー
②グリスを塗る
各部品の汚れを拭き取ったら、次にグリスを塗るのだが、ローライの部品には専用のグリスが存在する。
専用のグリスは、あの「カール・ツァイス」製の製品で、ローライが指定した修理業者にしか供給されない。
なので、一般人が入手するのは不可能である。
ローライ部品の材質を元に作られているグリスのようで、それ以外の一般のグリスを塗ると「腐食」する、とされているため注意が必要だ。
③洗浄にシンナーは使用しない
部品の洗浄にシンナーは使わない方がいい。
部品の素材によってはシンナーによって変形してしまう恐れがあるので、ベンジンを使用する。
くれぐれも”タワシやブラシ”等は使用せず、筆や指などを使って洗うと良い。
④ベンジンの拭き取り
一通り部品の洗浄が終わったら、再びキムワイプを使用してベンジンを拭き取る。
最後にラチェット軸にグリスを塗って、元に戻せば完了である。
ローライフレックスのレストア|修理はプロに頼む
- ロイカメラサービス
- 駒村商会
- F型以前は修理不可
ロイカメラサービス
ローライフレックスの修理で有名なのが「ロイカメラサービス」というカメラ屋さんである。
この”知る人ぞ知る”カメラ屋さんが埼玉県にあったが、残念ながら2018年3月で閉店となっている。
駒村商会
日本人で唯一、ローライ社で研修を受け「ローライ技術認定書」を持っている「本田直之」さんが在籍している駒村商会(東京都)である。
ただし現在、駒村商会はローライの総代理店では無くなっているので、現在でも修理を受け付けているかは不明である。
F型以前は修理不可
ロイカメラサービス・駒村商会ともに共通していたのが、F型以前の機種の修理は受け付けていないことだ。
F型以前の機種では既に部品が入手不可能であり、技術はあっても部品が無くては修理できないわけである。
また、ローライ認定のリペアマンである本田さんでさえもF型の「レストア・メーターの修理」は不可とされている。
くれぐれも迂闊に分解はしないように!(元に戻せなくなるぞ)
元々壊れている「ジャンク品」などを安く購入して、チャレンジしてみる分には良いかと思う。
レストアに必要な工具
- 精密ドライバー
- ピンセット
- 無水エタノール
- キムワイプ
- ベンジン
- グリス
- 筆
まとめ:ローライフレックスの分解・洗浄方法|修理はプロに頼む

ローライフレックスの分解・洗浄方法を大まかに解説した。くれぐれも撮影に使用している大切なローライフレックスを興味本位で分解しないようにしてほしい。中の機構を見るだけなら、革を剥がしてネジを外すだけなので簡単だが素人は歯車には触らない方がいい。バラして遊ぶのはジャンク品にしよう。最後に一番簡単に中の機構が見れるのは「ローライマジック」である。
ローライマジックの全面には元々革が張られていないので、ネジを外すだけでカバーが外せる。
■記事のポイントをまとめる。
- ローライフレックスのレストアには注意が必要
- ジャンク品の購入を推奨し、大切なカメラの分解は避けるべき
- 分解前に絞りとシャッタースピードを調整することが推奨される
- 革の部分は無水エタノールを使って慎重に剥がす
- 露出計やクランクレバーなどは精密ドライバーで取り外す
- 内部の歯車には素人が触れないようにする
- 汚れはキムワイプとベンジンで拭き取り、専用グリスを塗る
- シンナーは部品を変形させる恐れがあるため使用しない
- レストア後はプロに修理を依頼することが望ましい
- F型以前のモデルは部品が入手不可能で修理が困難
- ローライマジックは内部機構が見やすいモデルとして紹介されている
- 修理に関しては、ローライ認定のリペアマンに相談するのが良い

