The Rollei Pistol Grip is a distinctive accessory designed for use with Rolleiflex and other compatible Rollei twin-lens reflex cameras. Its pistol-shaped design allows the photographer to hold the camera securely in the right hand while releasing the shutter with a trigger connected to a mechanical cable release.
More than just a simple handgrip, it incorporates a Rolleifix-type quick-release mounting system and was particularly useful for fast shooting and eye-level photography when combined with accessories such as a prism finder. This article explores the design, mechanism, operation, compatibility, and historical significance of this fascinating Rollei accessory.
ローライフレックスといえばウエストレベルファインダーを上から覗き込み、じっくりと構図を決めて撮影する姿を思い浮かべる人が多いだろう。
しかし、ローライにはそのイメージを大きく変える純正アクセサリーが存在した。それが『Rollei Pistol Grip(ローライ ピストルグリップ)』である。
拳銃のグリップを思わせる独特な形状を持ち、ローライフレックスなどのカメラを右手で保持しながら、人差し指付近のトリガーによってシャッターを切ることができる。さらにRolleifix式のクイックリリース機構やケーブルレリーズを組み込んだ非常に凝ったアクセサリーである。
本記事ではローライ純正ピストルグリップの構造や使い方、対応するカメラ、そしてローライがこのようなアクセサリーを用意した理由について詳しく紹介する。
館長の購入記録
・購入日:2025/06/15
・購入場所:Yahoo!オークション
・購入価格:¥2,910

DATA/データ
- メーカー: Rollei/Franke & Heidecke
- 製品名: ローライ ピストルグリップ
- 英語名: Rollei Pistol Grip
- 製品種別: カメラ用ハンドグリップ
- 用途: カメラの保持・速写・シャッターレリーズ
- 固定方式: Rolleifix式クイックリリース
- シャッター操作: トリガー式
- レリーズ方式: 機械式ケーブルレリーズ
- 主な対応カメラ: Rolleifix対応Rolleiflex、Rolleicordなど
- 主な撮影方法: ウエストレベル/アイレベル撮影
- 関連アクセサリー: プリズムファインダー、フラッシュブラケット、リストストラップ
- 製造国: ドイツ
■記事のポイント
- ローライ純正ピストルグリップの特徴
- トリガーとケーブルレリーズの仕組み
- Rolleifix式クイックリリース機構
- アイレベル撮影との関係
ローライ ピストルグリップとは

- Rolleiflexを右手で保持するための専用グリップ
- Rolleifix式のクイックリリースを内蔵
- トリガーでシャッターを切る仕組み
- ケーブルレリーズの調整機構
- 誤作動を防止するセーフティロック
Rolleiflexを右手で保持するための専用グリップ
Rollei Pistol Gripは、その名の通りピストル型の形状を採用したローライ純正のカメラグリップである。
単なる補助グリップではなく、右手でカメラを保持し、そのままトリガー操作によってシャッターを切れるよう設計されている。
当時の資料でも、右手にフィットする形状を持つグリップとして説明されている。右手でカメラを保持できるため、左手をフォーカシング操作に使えることも大きな特徴であった。
特にローライのプリズムファインダーやフレームファインダーを使用したアイレベル撮影との相性がよく、通常のウエストレベル撮影とは大きく異なる撮影スタイルを可能にするアクセサリーである。
Rolleifix式のクイックリリースを内蔵

写真のグリップ上部を見ると、カメラを固定するための金属製機構が設けられている。
これはローライ純正アクセサリーとして知られるRolleifix(ローライフィックス)と同様の固定方式である。
カメラ底部に対応する溝を持ったローライをスライドさせて固定することで、ネジを毎回回して取り付ける一般的なグリップとは異なり素早く着脱できる。
当時の資料でもRollei Pistol GripにはRolleifix attachmentが組み込まれていることが明記されている。
そのためピストルグリップは、
グリップ+シャッターレリーズ+クイックリリース
という複数の機能を一体化したアクセサリーと考えることができる。
トリガーでシャッターを切る仕組み
グリップ前方には大きな白色のトリガーが設けられている。
このトリガーを引くと、グリップに接続されたケーブルレリーズを介してカメラのシャッターが作動する。
つまりトリガーそのものがカメラ内部のシャッター機構を直接操作するわけではない。
グリップから伸びるケーブルレリーズをカメラのレリーズ部分へ接続し、トリガーの動きを機械的に伝達する仕組みである。

電気接点やバッテリーを必要としない、完全に機械式のシステムである点もクラシックカメラらしい。
ケーブルレリーズの調整機構
写真を見るとグリップから黒いケーブルが伸び、その先端にはネジ込み式のレリーズ端子が設けられている。
当時の資料では、このケーブルレリーズは調整可能とされており、トリガーのストロークをカメラに合わせて調節できる構造となっていた。
カメラ本体のレリーズボタンを直接押す必要がなく、右手でグリップを握った状態のままシャッター操作を完結できることが、このアクセサリー最大の特徴である。
誤作動を防止するセーフティロック
グリップ上部には赤い表示のある小さな操作部が確認できる。
これはシャッターの誤作動を防ぐためのトリガーセーフティロックである。
資料によれば、後期型では意図しないシャッターレリーズを防止するロック機構が備えられており、1965年以降の仕様についても安全装置の存在が確認できる。
ピストル型という特徴的なデザインだけでなく、実際の撮影現場で使用することを想定した細かな工夫が盛り込まれているのである。
ピストルグリップが変えるRolleiflexの撮影スタイル


- ウエストレベルからアイレベルへ
- 速写や動きのある被写体にも対応
- 腰や胸の高さでの撮影にも使える
- フラッシュブラケットにも対応
- 対応するローライ
- 写真の個体から分かること
- Rolleiflexを別のカメラへ変身させるアクセサリー
ウエストレベルからアイレベルへ
通常のRolleiflexはカメラを胸から腰付近に構え、上部のフォーカシングスクリーンを覗き込んで撮影する。
ところがピストルグリップを装着すると、そのスタイルが大きく変化する。
特にプリズムファインダーとの組み合わせでは、Rolleiflexを一般的な一眼レフのように目の高さまで持ち上げて撮影できる。
1962年のRolleiflexの広告でも、プリズムファインダーとピストルグリップを組み合わせた撮影スタイルが紹介されている。
つまり、このピストルグリップは奇抜な形状だけを狙ったアクセサリーではない。
Rolleiflexをアイレベルで素早く扱うための明確な目的を持って開発された製品なのである。
速写や動きのある被写体にも対応
当時の資料ではピストルグリップはアクション撮影や連続した素早い撮影にも適したアクセサリーとして説明されている。
右手はカメラの保持とシャッター操作、左手はフォーカシング。
この役割分担によって、通常のRolleiflexとは異なる素早い操作が可能になる。
もちろんフィルム巻き上げそのものが自動化されるわけではないため、現代のモータードライブのような連写装置ではない。
それでも、構える→シャッターボタンを探す→押すという動作を簡略化できる点は当時として十分実用的であった。
腰や胸の高さでの撮影にも使える
ピストルグリップはアイレベル専用品ではない。
当時の資料では腰や胸の高さでカメラを安定して保持する用途にも使用できると説明されている。
これは二眼レフならではの利点でもある。
通常のウエストレベルファインダーを使用しながらピストルグリップを握れば、カメラ本体を直接両手で抱えるのとは異なる保持方法が可能となる。
フラッシュブラケットにも対応
さらに興味深いのがフラッシュ撮影への対応である。
グリップには標準的なフラッシュブラケットを取り付けるための部分も設けられていた。
そのため、
Rolleiflex
+ ピストルグリップ
+ プリズムファインダー
+ フラッシュ
という組み合わせも可能であった。
こうなると、一般的に想像される「首から下げて静かに覗き込むRolleiflex」とはまったく異なる姿になる。
報道やイベント、人物撮影など、機動力を必要とする場面を意識したシステムであったことが見えてくる。
対応するローライ
ピストルグリップはすべての古いRolleiflexへ無条件に装着できるわけではない。
基本的には三脚座周辺にRolleifix用の保持溝を備えたモデルが対象となる。
当時の資料では一例として、
- Rolleiflex 2.8:No.1,260,000以降
- Rolleiflex 3.5:No.1,267,000以降
- Rolleicord:No.1,344,000以降
- Tele-Rolleiflex
- Wide-Angle Rolleiflex
- Rolleiflex 4×4
- Rollei Magicシリーズ
などへの対応が記載されている。
したがって中古品を実際に使用する場合には、所有するカメラの底部形状とRolleifix対応の有無を確認する必要がある。
写真の個体から分かること
今回紹介する個体はブラックの樹脂製と思われるグリップボディに、握りやすくするための梨地状パネルが組み合わされている。
背面のクイックリリース部分には大きくROLLEIFIX / GERMANYの文字が入っており、ローライ用アクセサリーであることが一目で分かる。
白色の大型トリガーは視覚的にも非常に特徴的で、グリップ上部にはセーフティ機構、側面にはケーブルレリーズが配置されている。
また、グリップ下部にはストラップを取り付けるためと考えられる開口部も確認できる。実際にローライではPistol Grip用のWrist Strapもアクセサリーとして用意していた。
現代のカメラグリップとはまったく異なるが、実物を観察すると各部の配置が非常に合理的であり、単なる珍品ではなく実用アクセサリーとして設計されていたことがよく分かる。
Rolleiflexを別のカメラへ変身させるアクセサリー
Rollei Pistol Gripの面白さは装着することでRolleiflexそのものの撮影スタイルを変えてしまうところにある。
ウエストレベルで静かに構える二眼レフから右手でしっかり保持し、トリガーでシャッターを切る速写型のカメラへ。
さらにプリズムファインダーを装着すれば、その変化はより顕著になる。
Rolleifix、ケーブルレリーズ、セーフティロック、フラッシュブラケットへの対応など、小さなグリップの中に当時のローライらしい機械的な工夫が凝縮されている。
現在では実用品というよりコレクターズアイテムとして目にする機会の方が多いが、Rolleiflexというカメラがどれほど幅広い撮影用途を想定してシステム化されていたのかを伝えてくれる非常に興味深い純正アクセサリーである。
まとめ:ローライのピストルグリップ



ローライのピストルグリップはRolleiflexの撮影スタイルを大きく変えるユニークな純正アクセサリーだ。Rolleifix式の固定機構やトリガー式レリーズなど速写性を高める工夫が随所に見られる。ローライがカメラ本体だけでなく撮影システム全体を追求していたことを物語る興味深いアイテムである。
- ローライ純正のピストル型カメラグリップである
- 正式名称はRollei Pistol Grip
- Rolleiflexなどの二眼レフ用として販売された
- 右手でカメラを保持する形状になっている
- 白いトリガーからシャッターを操作できる
- シャッター作動にはケーブルレリーズを利用する
- Rolleifix式クイックリリース機構を備える
- セーフティロックを備えた仕様も存在する
- プリズムファインダーとの相性が良い
- アイレベルでの速写を可能にするユニークな純正アクセサリーである
