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RICOHFLEX Model ⅦS/リコーフレックス・モデル7S

The RICOHFLEX Model ⅦS, released in 1955 as an improved version of the Ⅶ with a built-in self-timer, was highly regarded for its robust construction and ease of use, earning strong support from many photography enthusiasts. Its 80mm f/3.5 Anastigmat lens delivers images with the rich tonal gradation and depth characteristic of medium format, making it a favored choice among a wide range of users from beginners to seasoned photographers.

RICOHFLEX Model ⅦSは「Ⅶ」の改良型としてセルフタイマーを備え1955年に発売。堅牢な構造と扱いやすさから多くの写真愛好家に支持された。80mm F3.5のアナスチグマットレンズが生み出す描写は中判ならではの豊かな階調と立体感を楽しむことができ、初心者から熟練者まで幅広い層に愛用された。

館長の購入記録
・購入日:2025/07/08
・購入場所:Yahoo!オークション
・購入価格:¥1,200

DATA/データ

  • Manufacturer: Ricoh (Riken Optical Co., Ltd.)
  • Model: RICOHFLEX Model ⅦS
  • Year of Release: 1955
  • Lens (Taking): Ricoh Anastigmat 80mm f/3.5 (3 elements in 3 groups)
  • Lens (Viewing): Ricoh Viewer 80mm f/3.5
  • Shutter: Riken (B,1/10–1/200sec) or Citizen (B, 1–1/400sec, on some units)
  • Dimensions: Approx.72.5×183×100mm
  • Weight: Approx.780g
  • Original Price: 8,300 yen (with case, 1955 Japan)

RICOHFLEX Model ⅦSの基本解説

  • 歴史的背景を踏まえた登場
  • 仕様・特徴を整理した詳細
  • 他モデルとの違い・比較による位置付け

歴史的背景を踏まえた登場

1950年代の日本は二眼レフの大衆化が加速した時代である。1950年にRicohはベルトコンベヤ方式による量産体制を確立し、6×6判のRicohflex IIIを低価格で普及させたことが広く紹介されている。こうした量産と低価格化の流れを基盤に、1954年にModel VIIが登場し、翌1955年1月に改良版としてRICOHFLEX Model ⅦSが投入された。ⅦSは従来3速だったリケンシャッターをガバナー化して速度域を拡張し、一部ではシチズンシャッターを採用するなどシリーズの成熟点を示す存在であった。フィルムは120、画面は6×6cmという当時の標準を踏襲しつつ手頃な価格と扱いやすさで入門から中級層までの需要に応えたことが位置づけとして重要である。

表記は資料によりVIIs/VIISなど揺れがある。

仕様・特徴を整理した詳細

RICOHFLEX Model ⅦSの基本仕様は次のとおりである。発売は1955年1月、120フィルム使用の6×6cm判で画面サイズは約55×55mm。撮影レンズはリコーアナスチグマット80mm F3.5(3群3枚)でファインダーレンズはリコービューワー80mm F3.5(同構成)。前玉のフォーカスリングがビューア側とギアで連動し正確なピント合わせを実現する。重量は約780g、外形は幅72.5×高さ183×奥行100mmで携行性と安定性のバランスが良い。
シャッターは標準でリケン(B・1/10–1/200秒)。さらにセルフタイマー追加のため一部にシチズン(B・1–1/400秒)を採用した個体がある。フィルム巻上げはノブ式で赤窓確認方式を用いる。価格は当時8,300円(ケース付)と記録され、同時代の中判TLRとしては入手しやすい価格帯であった。名称は天面銘板に“MODEL VIIS”と刻まれる個体が多いが、公式資料では“VII s”と表記される。これらはいずれも同一系統のモデルを指す。

RICOHFLEX Ⅶ系の主要仕様比較

モデル発売年月レンズ構成シャッターと速度域特徴・備考価格(当時)
VII1954年2月80mm F3.5(3群3枚)リケン 2枚羽根 B・25・50・100コンツール型ファインダー、リコーキン対応8,300円 →1955年より6,800円
VII S1955年1月80mm F3.5(3群3枚)リケン B・1/10–1/200(※一部シチズン B・1–1/400)速度域拡大、セルフタイマー仕様あり8,300円
VII M1956年1月80mm F3.5(3群3枚)セイコーシャ211 B・1/10–1/300セイコーシャ採用の低価格版8,000円

※すべて120フィルム6×6cm判、サイズ72.5×183×100mm、質量約780gを基本とする

他モデルとの違い・比較による位置付け

Ⅶ(左)とⅦS(右)の比較

ⅦSはⅦの改良版で最大の変化はシャッターの拡張である。Ⅶの3速(B・1/25・1/50・1/100)に対し、ⅦSは1/10–1/200へ広げ、露出設計の余裕をもたらした。さらに一部個体でシチズンシャッターを採用し1/400秒まで対応したことは屋外の日中撮影の自由度を押し上げる要素である。翌年のVII Mはセイコーシャ211を採用して実用速度を1/300秒まで拡張したが位置付けとしては“セイコーシャ採用のバリエーション”であり、シリーズの王道路線を担ったのはⅦSである。VIIが導入したコンツール型の見やすいファインダーやリコーキン(35mm化アダプター)といった周辺思想を継承しつつ、操作感と耐久性を損なわずに速度域を広げた点に価値がある。以上の点を踏まえるとⅦSは“Ⅶ系の完成度を高めた標準機”という結論に達する。

RICOHFLEX Model ⅦSの実用情報

  • 使用感・評価としての一般的見解
  • 相場・コレクション価値の目安
  • メンテナンス・注意点に関する知識
  • 総括としてのRICOHFLEX Model ⅦSの魅力

使用感・評価としての一般的見解

前玉連動式のフォーカシングは軽快でウエストレベルのスクリーン上でもピントの山がつかみやすい部類である。80mm F3.5のアナスチグマットは三枚玉らしいコントラストと中心部の素直な解像を示し、絞れば周辺の収差が安定する。シャッターは標準仕様で1/200秒まで、一部個体は1/400秒まで使えるため感度100程度のフィルムでも日中の露出設計がしやすい。
巻上げは赤窓確認方式で自動停止は持たないが構造が簡素で故障リスクを抑えやすい。ファインダーフードは視野確認が明瞭で目線を上げない撮影スタイルにも適している。要するに画質・操作・堅牢性のバランスに優れ、ビギナーの最初の中判TLRから、作例づくりのサブ機まで幅広く活用できるという評価に落ち着く。

相場・コレクション価値の目安

中古市場での価格は状態・付属品・整備履歴で大きく変動する。赤窓やシャッターの状態、レンズのカビや曇り、ピント精度の良否が価値を左右する主要因である。一般的には下記の傾向が見られる。

  1. 完全整備済み・外観良好の個体は安定的に高めの評価を受ける
  2. 動作品でもレンズの曇りやファインダーの汚れがあると評価が下がる
  3. ジャンクは部品取り需要を中心に低価格帯で推移する

また、銘板表記の違い(VIIs/VIIS)やシャッターのバリエーション(リケン/シチズン)もコレクション性に影響する。シリーズ全体の歴史的意義は高く、特にⅦSは“Ⅶ系の成熟版”として系譜を語るうえで欠かせない存在である。

メンテナンス・注意点に関する知識

ビンテージTLRとして、以下の点に配慮することで安心して運用できる。

シャッターとヘリコイド

長年未整備の個体はシャッター粘りが発生しやすい。各速度が均一に切れるか、B動作の戻りに遅滞がないかを確認する。ピント繰り出しはギア連動のため無理なトルクをかけずスムーズに回るかを点検したい。

光学系

前玉三枚玉は曇りやバルサム切れが画質に影響する。前群が清掃可能でも無理に分解せず、専門業者の点検・清掃(CLA)を検討するのが無難である。ファインダースクリーンとミラーの清掃は効果が大きいがミラーの劣化には交換が必要な場合もある。

フィルムまわり

赤窓式は光線漏れに注意する。赤窓カバーの開閉と裏蓋の密着、遮光材の劣化をチェックする。装填時はスタートマーク位置を守り、巻き過ぎ防止に留意する。

保管

湿度管理と防カビ対策が肝心である。使用後はシャッターを解放し、ファインダーフードを軽く開けて乾燥させると良い。革ケースは湿気をためやすいため長期保管時は外して保管するのが安全だ。

総括:Ⅶの改良機!RICOHFLEX Model ⅦSの魅力

RICOHFLEX Model ⅦSはセルフタイマーの搭載やシャッター速度域の拡張によって使いやすさを高めた二眼レフカメラだ。堅牢でシンプルな構造は信頼性が高い。初心者にとっては入門機として扱いやすく、熟練者にとっては実用とコレクションの両面で価値のある存在である。

以下に記事全体の要点をまとめる。

  • 1955年登場の成熟版としてⅦ系の完成度を高めた存在
  • 80mm F3.5三枚玉の素直な描写は被写体を選ばない
  • リケン1/10–1/200秒と一部1/400秒で運用の幅が広い
  • 120フィルム6×6判で中判らしい立体感と階調を得やすい
  • 赤窓式とノブ巻上げで機構が単純なため信頼性が高い
  • VIIやVII Mとの比較で速度域と装備の違いが明確で選びやすい
  • 価格は状態差が大きく整備履歴が価値を大きく左右する
  • 名称表記VII s/VIISの違いがありコレクション性が高い
  • 整備はシャッター・光学系・遮光の三点を押さえると実用度が上がる
  • 歴史的にはRicohの量産思想の延長線上にある基幹モデル

(参照:リコーカメラ全機種リスト リコーフレックス VII s – https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera/cameralist/flexVIIs.html)(参照:リコーカメラ全機種リスト リコーフレックス VII – https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera/cameralist/flexVII.html)(参照:日本に写真の時代をもたらした リコーフレックスIII (1950) – https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera_lib/library/1950.html)

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