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OLYMPUS FLEX/オリンパスフレックス

In the early 1950s, the Olympus Flex emerged as a camera that held an important place in the history of Japanese photography. It was the first twin-lens reflex camera produced by Olympus and stood as a symbol of the maturity of domestic camera technology at the time. With its refined design and the imaging performance of Zuiko lenses, it boasted a level of quality comparable to German-made cameras and captivated a wide range of photography enthusiasts, from professionals to amateurs.

1950年代前半、日本のカメラ史において重要な位置を占める存在として登場したのがオリンパスフレックスである。オリンパスが初めて手掛けた二眼レフカメラであり、当時の国産カメラ技術の成熟を象徴するモデルでもあった。高級感ある設計やZuikoレンズの描写性能はドイツ製カメラに迫る完成度を誇り、プロからアマチュアまで幅広い写真愛好家を魅了した。

館長の購入記録
・購入日:2025/06/29
・購入場所:Yahoo!オークション
・購入価格:¥3,000

DATA/データ

  • Manufacturer: Olympus Optical Co., Ltd.
  • Model Name: Olympus Flex
  • Lens: Zuiko 75mm f/3.5 or Zuiko 75mm f/2.8 (depending on model)
  • Shutter: Seikosha Rapid / MX, speeds from B to 1/400–1/500 sec
  • Release Year: 1952 (first model)
  • Original Price: Approx. ¥47,000 for the Olympus Flex I, ¥23,000 for Flex A3.5 (with case)

Accessory/アクセサリー

A rare advertisement from 1953 (Showa 28)

オリンパスフレックスの歴史と特徴

  • カメラの概要と歴史背景
  • モデル一覧と違いを比較
  • 技術仕様・特徴を紹介

カメラの概要と歴史背景

オリンパスフレックスは1950年代前半の日本で隆盛した二眼レフ市場に向けて投入された中判カメラである。初号機であるOlympus Flex Iは1952年8月に登場し、オリンパス初の二眼レフとして同社の高級機路線を象徴した。ローライフレックスを意識しつつも、独自の改良を随所に盛り込んだ設計で発売当時の国内市場において高い完成度を示した。シリーズは普及機志向のA系、より高性能な2.8系などへ派生し1950年代半ばまで短期間ながら集中的に展開された。

(参照:Olympus Flex I | History of Olympus Products – https://www.olympus-global.com/technology/museum/camera/products/camera/ol-flexI/?page=technology_museum)
(参照:History of Olympus Products : Cameras – https://www.olympus-global.com/technology/museum/camera/)

モデル一覧と違いを比較

オリンパスフレックスは数年の短命なシリーズであるがモデルの考え方は明快である。上位機は明るいレンズや高性能シャッターを採用し、普及機はコストを抑えつつ操作性を整理した。以下に要点を整理する。

モデル発売年レンズ(撮影側)シャッター価格(発売当時)主な特徴
Olympus Flex I1952年75mm系(F2.8またはF3.5系の資料あり)セイコー系レンズシャッター(B~1/400前後)47,000円同社初の二眼レフ。高級志向、独自改良を採用
Flex A3.51954年Zuiko 75mm F3.5Seikosha系(B~1/500前後)23,000円(ケース付)普及価格帯。外装簡素化、アクセサリーシュー採用
A2.8/A3.5IIなど1955~56年頃75mm F2.8/F3.5Rapid/MX系公開資料では未確認上位・最終型へ展開。細部仕様は個体差あり

上表は公式資料に基づく事実と複数資料で言及される一般的な仕様傾向を併記した。レンズ構成やシャッターの細目は同一名称でも生産期で差が見られるため、実機を扱う際は個体の刻印と作動状態を必ず確認すべきである。

(参照:オリンパスフレックスA3.5:中判カメラ – https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/camera/ol-flexa3.5/?page=technology_museum)

技術仕様・特徴を紹介

シリーズ共通の骨格は120フィルムによる6×6cm判、ウエストレベルファインダー、右側面の巻き上げノブとピントノブ、前面の絞り・シャッター速度操作というTLRの定石に沿う構成である。シャッターはSeikosha Rapid/MXなどの系統が主流でバルブと高速側400~500分の1を備える個体が多い。フラッシュ同調はM/X切替式を採るモデルも見られる。

ファインダーはルーペを内蔵したフード式でピントの山がつかみやすい。撮影レンズはZuiko 75mmが基本でF3.5の普及型とF2.8の高級型に大別される。被写界深度の扱いやすさと発色の自然さが評価され、ポートレートや商品撮影に適した描写を示す個体が多い。さらに、金属外装にレザーカバーという堅牢な造りが長期の保存に耐え、整備次第で実用も可能である。

使い勝手の要点

  • 巻き上げはノブ式で静粛、重ね撮り防止機構は個体差がある。
  • シャッターレリーズは前面配置で指掛かりが良い。
  • 三脚座やケーブルレリーズなど撮影補助の互換性が高く、現代のアクセサリーでも代用できる場合がある。

オリンパスフレックスの価値と評価

  • 位置づけと影響を考察
  • 当時の価格と価値を検証
  • 現在の評価・中古市場の動向
  • 総括:オリンパスフレックスの魅力

位置づけと影響を考察

オリンパスフレックスは戦後復興期の日本メーカーが高級カメラ分野で存在感を示した事例と位置づけられる。先行するドイツ製TLRに学びつつ、国産の精密加工とZuikoレンズの描写で競争力を確保した。結果として、同社の中判から35mm、さらには一眼レフ時代への技術的継承点が可視化できる。短期間の展開でありながら国内ユーザーに対して国産高級機の選択肢を提供し、後続のオリンパス35シリーズやPen、OMシステムに通じる「小型・高性能」の思想へ接続したと考えられる。

海外の評価も「日本製TLRの代表格の一つ」という文脈で語られることが多く、コレクター市場では希少性と状態の良し悪しが価値を左右する。設計思想とブランドの一貫性がコレクション対象としての魅力を支えている。

当時の価格と価値を検証

Flex Iの発売価格は47,000円で当時の初任給約7,000円に対し半年以上の賃金に相当したと公式資料に記されている。A3.5はケース付きで23,000円とされ、普及機ながらも高価な耐久消費財であった。これらの数字からシリーズが趣味用を超え、プロやハイアマチュアの道具として設計されたことが読み取れる。

物価換算を行う際は単純なインフレ率ではなく、賃金や家計支出構造の違いを考慮する必要がある。初任給比で眺めるとFlex Iは今日の高級中判デジタルの価格帯に匹敵する負担感であり、A3.5でも上位ミラーレスの複数台分に近い位置づけと見なせる。すなわち、当時のオリンパスは二眼レフ分野でも最上位クラスを狙った戦略を採っていたということである。

(参照:Olympus Flex I | History of Olympus Products – https://www.olympus-global.com/technology/museum/camera/products/camera/ol-flexI/?page=technology_museum)
(参照:オリンパスフレックスA3.5:中判カメラ – https://www.olympus.co.jp/technology/museum/camera/products/camera/ol-flexa3.5/?page=technology_museum)

現在の評価・中古市場の動向

中古市場では外観の保存状態、レンズのカビ・バルサム切れ、シャッターの作動精度が価格を左右する。オーバーホールの有無は実写価値に直結するため、整備履歴のある個体は相場が安定しやすい。希少性はモデル名よりも「状態」と「付属品」で差がつき、元箱・純正キャップ・ケース・取扱説明書が揃うと評価が上がる傾向がある。

実用面では120フィルムの入手性は依然として確保でき、現像・データ化のサービスも国内外で継続している。撮影を前提に購入する場合、ファインダーのミラー腐食やピントスクリーンの曇りがないか、絞り羽根の粘りやシャッター速度のばらつきがないかを点検するべきである。部品取り個体の流通は潤沢とは言い難いため、メンテナンスを請け負う業者の有無も合わせて確認したい。

購入・保管のチェックポイント

  • レンズの清掃痕や曇り、コーティングの荒れを目視で確認する。
  • シャッター全速での作動音を聞き低速域の粘りを点検する。
  • 皮革カバーの浮きや金属腐食は進行性があるため保管環境を整える。
  • 乾燥剤や通気性のあるケースを用い高温多湿を避ける。

総括:ローライに負けない?オリンパスフレックスの完成度

オリンパスフレックスは1952年に登場したオリンパス初の二眼レフカメラであり、日本製カメラの技術的成熟を示す象徴的な存在であった。Zuikoレンズによる描写性能や堅牢な設計はドイツ製高級機に匹敵する完成度を誇りプロからアマチュアまで幅広い層を魅了した。当時の国産カメラが世界水準に到達しつつあった歴史を物語る貴重な一台である。

以下に記事全体の要点をまとめる。

  • 1952年に初号機誕生し国産TLRの完成度を示した
  • 6×6判の正方形で中判らしい階調再現が可能
  • Zuiko 75mmの描写はポートレートで評価が高い
  • 上位機と普及機の二層展開で用途に応じて選べる
  • シャッターはSeikosha系で信頼性と整備性が高い
  • Flex Iは当時47,000円で高級機の位置づけ
  • A3.5は23,000円で普及帯ながら堅実な構造
  • 中古は状態と付属品で評価が大きく変わる
  • 実用では整備履歴とシャッター精度の確認が必須
  • コレクションとしても設計思想の一貫性が魅力
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