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AlpenflexⅠ/アルペンフレックス1型

In the early 1950s, during a period of rapid growth in Japan’s camera industry, the Alpenflex I made its debut. Manufactured by Hachiyo Optical Industry in Nagano Prefecture, this twin-lens reflex camera was characterized by a design that emphasized practicality despite its simplicity. Equipped with the company’s own Alpo 75mm F3.5 lens, it offered performance that was easy to handle for ordinary users of the time while still meeting the demands of serious photography. Although its production run was short, several derivative models were released, and today it is regarded by collectors as a notable presence in the history of Japanese twin-lens reflex cameras.

1950年代前半、日本のカメラ産業が大きく発展していた時代に登場したのがアルペンフレックスⅠである。長野県の八陽光学工業によって製造されたこの二眼レフカメラはシンプルながら実用性を重視した設計が特徴であった。レンズは自社製Alpo 75mm F3.5を搭載し、当時の一般ユーザーにとって扱いやすく、かつ本格的な撮影にも応えられる性能を備えていた。短い製造期間ながら複数の派生モデルが展開され、現在では国産二眼レフ史の一角を彩る存在としてコレクターから注目されている。

館長の購入記録
・購入日:2025/07/27
・購入場所:Yahoo!オークション
・購入価格:¥2,800

DATA/データ

  • Manufacturer: Hachiyo Optical Industry Co., Ltd.
  • Model Name: Alpenflex I
  • Year of Release: 1952
  • Taking Lens: Alpo 75mm f/3.5
  • Viewing Lens: Alpo 75mm f/3.5
  • Shutter: Orient shutter, B and 1s–1/200s
  • Viewfinder: Waist-level finder with magnifier and sports frame
  • Film Advance: Knob wind with red window, no automatic stop
  • Flash Sync: Kodak-type synchronization terminal

A rare advertisement from 1953 (Showa 28)

アルペンフレックスⅠの概要と基本情報

  • アルペンフレックスⅠ型とは?
  • 背景と製造元について
  • 技術仕様と特徴

アルペンフレックスⅠ型とは?

アルペンフレックスⅠは1952年に登場した国産の二眼レフカメラである。使用フィルムは120判、フォーマットは6×6cmのスクエアで撮影レンズにはHachiyo製Alpo 75mm F3.5を採用する個体が一般的である。シャッターはOrient系を搭載し、Bから1/200秒までの段階式速度を備える。ファインダーは折り畳み式のフード内にルーペとスポーツファインダーを備え、ピント合わせは前板繰り出し式でノブによるヘリコイド駆動で行う。

背景と製造元について

製造元は長野県に拠点を置いた八陽光学工業である。同社は戦後、日本光学工業の塩尻拠点に由来する技術的背景を持ち、1951年頃に事業を承継して光学機器の生産を開始したとされる。アルペンフレックスは大衆に親しみやすい価格帯を狙ったシリーズで国内外への輸出も視野に入れた製品展開を行った。英文の取扱説明書にはダイキャストの軽量ボディ、内蔵フラッシュシンクロ、スポーツファインダーなどが売りとして記されており、当時のユーザーに向けた実用志向の設計思想が読み取れる。 (参照:【ALPENFLEX Camera Instruction Manual – https://www.cameramanuals.org/pdf_files/alpenflex.pdf】)

技術仕様と特徴

アルペンフレックスⅠの仕様は市場に複数のバリエーションが存在し個体差がみられる。以下はⅠ型で一般的に確認される要点を整理したものである。

主な仕様

項目内容
使用フィルム120(ブローニー)
画面サイズ6×6cm、12枚撮り
撮影レンズAlpo 75mm F3.5(ハードコート)
ピント方式前板繰り出し式、目測距離目盛付き
シャッターOrient系、シンクロ端子装備
シャッター速度B、1、1/2、1/5、1/10、1/25、1/50、1/100、1/200秒
絞りF3.5〜F22前後(個体により差)
巻き上げノブ式、赤窓でコマ番号確認、二重露光防止なし
ファインダーウエストレベル式、拡大ルーペとスポーツ枠付き
ボディ軽合金ダイキャスト、サテン調メタル外装
同期Kodakタイプのフラッシュシンクロ

操作系の要点

ピントは本体側面のフォーカスノブで行い、ファインダーフードを開いてスクリーン上で像を確認する。ルーペを立てると精密なピント合わせがしやすく、動体にはスポーツファインダーが有効である。フィルム装填は背面を開け、下側に供給スプール、上側にテイクアップスプールをセットし、赤窓の「1」を合わせてからシャッターを切る方式である。自動巻き止め機構は持たないためコマ送りは慎重に行うのが安全である。 (参照:【ALPENFLEX Camera Instruction Manual – https://www.cameramanuals.org/pdf_files/alpenflex.pdf】)

アルペンフレックスⅠの詳細と評価

  • バリエーション一覧
  • コレクターガイド・市場価値
  • 特記事例とレビュー

バリエーション一覧

アルペンフレックスはⅠを起点にセルフタイマーの有無やシャッター供給元の違いで複数の派生がある。一般にはⅠ(標準機)、IS(セルフタイマー付)、II/IIS(改良型)、MS(別系シャッター採用)、最終期のZ(上位仕様)といった系譜で語られる。派生名の“S”はセルフタイマー装備、“Z”は改良された巻き上げ機構やコパル系シャッターの採用など、時期によるモダナイズを示すと理解できる。生産期間は短く、各モデルの細部はロットによって差異があるため個体確認が前提となる。

モデル想定発売期主な相違点の概要
1952年セルフタイマー非搭載、Orient系シャッター
IS1952年頃セルフタイマー追加、基本仕様はⅠに近い
II/IIS1953〜1954年外装やシャッター周りを改良、Sはセルフ付
MS1953年頃別系シャッター採用の派生とされる
Z1955年頃上位仕様、後期の完成形として位置付けられる

コレクターガイド・市場価値

二眼レフとしての希少性は中程度だが、国内では流通数が少なく状態の良い個体は評価が上がりやすい。海外の相場指標ではⅠ型の参考価格帯としてAverage60〜70ドル、Very Good90〜100ドル、Mint160〜180ドルの目安が示されている。実勢は付属品の有無、シャッター精度、レンズのカビ・曇り、ファインダースクリーンの劣化、革貼りの状態などで大きく変動する。購入時はシャッター全速の作動、絞り羽根の油にじみ、フォーカシングのトルク、二重像やヘイズの有無を丁寧に点検したい。修理・調整は中判二眼レフの経験がある業者に依頼するのが安全である。 (参照:【Hachiyo Kogaku: Alpenflex I – https://collectiblend.com/Cameras/Hachiyo-Kogaku/Alpenflex-I.html】)

特記事例とレビュー

実写レビューではAlpo 75mmの描写は中庸で素直なコントラストを示し開放では周辺の甘さが残る一方、F8〜F11付近で画面全体が安定するという評価が多い。コーティングはハードコートとされるが年代相応のコーティング劣化や磨き傷が散見され、逆光ではフレアが出やすい個体もある。シャッターは最速1/200秒のため、ISO100のネガを使う場合は日中晴天下でF11〜F16を基本に必要に応じてNDフィルターを併用すると扱いやすい。ファインダー像は明るさが十分とは言い難い個体もあるがスクリーン清掃とルーペ併用で実用性は確保できる。整った個体であればモノクロはもちろん、低感度のリバーサルでも端正な発色を得られる。

総括:アルペンフレックスⅠの価値と魅力

アルペンフレックスⅠ型は戦後の日本カメラ産業が急成長する中で誕生した二眼レフカメラであり、短期間の生産ながらも独自の存在感を残した。派生モデルを含めたシリーズ展開は限られた歴史の中で改良を重ねた努力の証であり、現在では国産二眼レフ史の一端を示す貴重な資料としてコレクターの関心を集めている。

以下に記事全体の要点をまとめる。

  • 1952年登場の国産二眼レフで実用性が高い
  • 120フィルムの6×6判で正方形表現に適する
  • Alpo 75mmの素直な描写は風景や人物に合う
  • シャッターはB〜1/200秒で日中撮影に十分
  • 赤窓式とノブ巻きで操作がシンプルである
  • 個体差が大きく購入前の点検が成果を左右
  • 国内流通は少なく良品の希少性はやや高い
  • 後継機の情報と比較で系譜理解が深まる
  • メンテ済み個体は撮影とコレクションで有望
  • アルペンフレックスⅠは入門と収集の両面に適する

【参考情報】(参照:【ALPENFLEX Camera Instruction Manual – https://www.cameramanuals.org/pdf_files/alpenflex.pdf】) (参照:【Hachiyo Kogaku: Alpenflex I – https://collectiblend.com/Cameras/Hachiyo-Kogaku/Alpenflex-I.html】)

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