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昭和28年発行『ローライ型カメラ全書』研光社/Complete Guide to Rollei-type Cameras

Published in 1953 by Kenkosha, The Complete Guide to Rollei-type Cameras was nothing less than a bible for twin-lens reflex enthusiasts of the time. Featuring a rich variety of frontispiece photographs by renowned photographers, comprehensive operational instructions covering everything from film loading to practical shooting, and an extensive catalog of both domestic and foreign twin-lens reflex cameras, the book allowed readers to grasp photographic techniques and the full picture of the market simply by turning its pages. From the advertisements and terminology at the back, one can even sense the atmosphere of postwar Japan’s photographic culture and the development of camera technology, making it an invaluable historical resource.

1953年(昭和28年)に研光社から発行された『ローライ型カメラ全書』は、当時の写真愛好家にとってまさに二眼レフのバイブルといえる存在であった。著名写真家による多彩な口絵、フィルム装填から撮影実践までを網羅した操作解説、そして国産・外国製の二眼レフを一覧できる大規模カタログを一冊に収録し、読者はページをめくるだけで撮影技術と市場の全体像をつかめた。巻末の広告や用語からは、戦後日本の写真文化と機材発展の空気まで伝わってくる貴重な資料である。

館長の購入記録
・購入日:2025/07/13
・購入場所:Yahoo!オークション
・購入価格:¥3,230

DATA/データ

  • Title:Complete Guide to Rollei-type Cameras
  • Publication Date:May 10, 1953 (Showa 28)
  • Publisher:Kenkosha/研光社
  • Format:B5 size (approx. 18.3 × 26 cm)
  • Total Pages:Approximately 146 pages
  • Price:¥200

Structure of This Book

研光社『ローライ型カメラ全書』の全貌

  • 発行情報と位置づけ
  • 口絵の見どころ
  • 本文の骨格
  • ポートレート特集
  • カタログ編:国産・外国の二眼レフを一望
  • どんな読者に向くか
  • メリットだけでなく注意点

発行情報と位置づけ

本書は1953年(昭和28年)に研光社が「フォトアート」臨時増刊として刊行した二眼レフ=ローライ型の総合ガイドである。B5判・約146頁の誌面に巻頭口絵、実践的操作解説、国産・外国機の大カタログを収録し、当時の撮影文化と市場を丸ごと把握できる資料性が最大の魅力で、裏表紙の小西六「コニレット」広告や「さくらフィルム」のコピーからも時代背景が読み取れる。

ローライカメラ全書ではなく、ローライ”型”カメラ全書である。

口絵の見どころ

巻頭口絵はローライ型カメラによる作品集で人物・スナップ・実験作が混在し二眼レフの作画領域を示しており、細江英公「椅子に立つ犬」、秋山青磁「都会の広場」、木村伊兵衛「茶房マミーにて」、植田正治「はりいた」、加藤保雄「船長の閑談」など著名作家の作例が並ぶことで、当時の作風と機材の表現力を直感的に味わえる。

本文の骨格

本文は入門・実践・資料の三層で構成され、目次をたどるだけで二眼レフの思想から運用、機種選択まで理解できるよう設計されており、例えば阿部正一「今日のローライ迄」、日山省吾「ローライ型カメラとは」、渡辺秀夫「買い方の急所」、狩野優によるフィルム装填方式別解説や「準備が終って撮影の実際」、さらに便利な索引ページや用品知識、メーカー便覧まで網羅している。

ポートレート特集

ポートレート撮影を光とポーズの両面から体系化していることが特徴で、早田雄三「女性ポートレートの採光とポーズ」と複数投稿者による「TWIN LENS’ PICTURES」が収録され、構図・露出・表情づくりの要点を作例とともに確認できるため、人物写真を志す読者には格好の教材となっている。

カタログ編:国産・外国の二眼レフを一望

当時入手可能な二眼レフの網羅的一覧は一次史料として有用で国産では、

マミヤフレックス/ミノルタフレックス/ミノルタオートコード/プリモフレックス/アイレスフレックス/ゼノビアフレックス/コニフレックス/ビューティフレックス/エルモフレックス/ワルツ系 など多数。

外国では、

ローライフレックス(各型・F2.8付を含む)/ローライコード(II・III 等)/コダックレフレックス/フレックスレット などが掲載。

「オール国産二眼レフカメラ集」「オール外国ローライ型カメラ集」として比較検討できる。

どんな読者に向くか

二眼レフを使い始めたい人、フィルム装填から現像・引伸しまでを一気に理解したい人、そして1950年代の国産二眼レフ市場を研究する人に向き、装填方式別の操作、露出・ライティングの基礎、アクセサリー運用、メーカー便覧まで網羅しているため実用と資料性を兼ね備えた一冊として活用できる。

メリットだけでなく注意点

刊行が1953年で技術や用語、機種名の一部が現行と異なるため、距離計や露出計、アクセサリーの扱いは当時仕様で記述され現行基準と齟齬があり、人名や機種名には旧字体や表記ゆれも見られ、作例はモノクロ中心でカラー撮影の指針は限定的である点に留意する必要がある。

総括:研光社の『ローライ型カメラ全書』の価値

研光社の『ローライ型カメラ全書』は作例・操作解説・総合カタログを一体化した二眼レフの教科書であり、著名写真家の口絵が表現の幅を示し、豊富な機種一覧が市場全体像を伝えることで研究資料としても実用ガイドとしても価値が揺るがない存在である。

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