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ローライコード5【取扱説明書】RolleicordⅤ IN PRACTICAL USE

The “Rolleicord V instruction manual” is a highly valuable resource that supports the history of classic cameras. It unravels the intent behind the cover design, the role of the line-drawn illustration, and the credit notation of its publisher, Franke & Heidecke. Furthermore, the patent numbers listed on the back and the imprint such as “Printed in Germany” provide clues to understanding the international expansion and manufacturing background of the time.

クラシックカメラの歴史を支える資料として価値の高い「ローライコードVの取扱説明書」。表紙デザインの意図や線画イラストの役割、さらに発行元であるフランケ&ハイデッケ社のクレジット表記などを読み解く。また、背面に記載された特許番号や「Printed in Germany」といった奥付表記からは、当時の国際展開や製造背景を知る手がかりが得られる。

館長の購入記録
・購入日:2025/08/31
・購入場所:Yahoo!オークション
・購入価格:¥447

DATA/データ

  • Manufacturer: Franke & Heidecke, Braunschweig, Germany
  • Product: Rolleicord V Instruction Manual
  • Language: Multilingual editions (including English and German)
  • Format: Booklet, horizontal layout, illustrated
  • Content: Operating instructions, diagrams, technical notes
  • Cover Design: Gray-toned background with camera line illustration
  • Publisher Credit: Franke & Heidecke prominently noted on the back
  • Patent Information: Includes U.S. Patents, British, French, Swiss, Japanese references, DBP, DBGM
  • Printing Mark: “Printed in Germany” with code (e.g., 1255)
  • Period: Mid-1950s production and distribution

introduce a part of the booklet

ローライコードV|取扱説明書の概要

  • デザインに見られる特徴と魅力
  • 表紙に描かれたカメライラストの意味
  • 発行元フランケ&ハイデッケ社の記載

デザインに見られる特徴と魅力

本冊子は横長の小冊子体で落ち着いたグレー系の用紙に斜めのガイドラインが走るレイアウトが採用されている。金属的な光沢感を帯びた印刷で工業製品らしい精密さと実用性を前面に押し出す設計だ。表紙右側にはロゴタイプが大きく配置され、視線を確実に引き込む。一方、左側には図版とタイポグラフィを縦方向にそろえることで二眼レフの縦長フォルムとの調和を生み、静的な安定感を与えている。
英文サブタイトル「IN PRACTICAL USE」は単なる仕様書ではなく実用的な操作ガイドであることを明確に示す要素である。販売地域に合わせて多言語版が存在した可能性を示す手掛かりにもなり、資料としてのバリエーション追跡にも役立つ。紙厚は薄手寄りで携行性を重視した体裁と見られ、店頭配布や同梱物として使いやすいサイズ感である。

ロゴとタイポグラフィの設計

ロゴは手書き風の有機的な字形で硬質なカメラ図版とのコントラストを形成する。本文用フォントは視認性の高いサンセリフ体が中心で実用書としての読みやすさを担保している。図版と文字の比率が適切で、操作説明の視線誘導を阻害しない構造である。

表紙に描かれたカメライラストの意味

表紙左側の精緻な線画は読者が操作部品の位置関係を直感的に把握できるよう配慮された導入図である。アイレベルファインダーのハッチ、シャッターユニット、フォーカスノブなどの主要パーツが簡略化しすぎず描かれ、内部ページでの詳細説明へスムーズに接続する役割を果たす。
さらに、イラストの下部にはわずかな余白が設けられ、黒地の影で奥行きを演出している。これにより機械の立体感が強調され、写真ではなく図版でありながら質感情報を十分に伝える。小冊子の表紙として視覚的な説得力と機能的な導入性を両立した作図となっている。

図版が担う導線設計

  • 主要操作部の位置の事前学習を促す
  • 構造理解のハードルを下げ、本文への到達コストを下げる
  • 製品イメージの統一感を付与し、ブランド想起を高める

発行元フランケ&ハイデッケ社の記載

背表紙側には「FRANKE & HEIDECKE BRAUNSCHWEIG」のクレジットが明確に示され、発行主体と製造拠点の所在を読者に伝える役割を担う。Braunschweig表記は同社の歴史的拠点を裏付ける基本情報であり、同地に根差した生産体制のイメージを補強する。
また、背面にはRolleiflexとRolleicordの両ロゴが並記され、ブランド体系の一貫性を訴求している。シリーズを横断するガイド群の一冊としての位置づけが読み取れ、販促物としても機能する編集方針である。印刷下部には各国の特許・実用新案への配慮を示す英略記が連なり、国際市場での知財表示を重視する企業姿勢がうかがえる。

ローライコードV 取扱説明書の詳細

  • 記載されている特許番号と国情報
  • ドイツ製造を示す印刷表記について
  • 総括:ローライコードV 取扱説明書の価値

記載されている特許番号と国情報

背面下部には知的財産に関する表示が複数言語・複数法域で記載されている。代表的な表記として「U.S. pat.」に続く米国特許番号群、英国・フランス・スイス・日本の各国特許への言及、さらに「Brev. s.g.d.g.」などの歴史的な法的注記が確認できる。これらは当時の国際販売において法的リスクを抑え、模倣対策を可視化するための常套的な表現である。
ドイツ関連では「D.B.P.」や「D.B.G.M.」といった略記が並び、特許(Patent)と実用新案(Gebrauchsmuster)を区別して示している点が読みどころである。実用新案は短期間での技術保護に適し、操作系や機構の改良を迅速に権利化する枠組みとして活用されてきた。冊子にこれらを明記することは読者に対する操作上の信頼性の担保だけでなく、流通チャネルに向けた正規品訴求の役割も果たしている。
加えて「Pat. pend.」の類いの記述が確認できる点も実務上の意味が大きい。出願中の技術であっても、周知化と牽制効果を同時に狙えるため印刷物での明記は販売初期段階の防御策として有効である。

略記の読み解きメモ

  • D.B.P.:ドイツの特許を指す一般的略記
  • D.B.G.M.:ドイツの実用新案に相当する区分を指す略記
  • Brev. s.g.d.g.:フランス法上の免責文言に由来する歴史的注記

ドイツ製造を示す印刷表記について

背面右下の「Printed in Germany」は製造・印刷拠点の明示であり、当時のドイツ製印刷物に広く見られる表現である。さらに、近傍に配置された「1255」のような数字列は印刷コードと解される場合が多く、版の識別や印刷ロットの追跡に使われたと考えられる。月年を符号化したコード体系が併用される例もあり、本冊子についても1950年代中葉の制作物である可能性が高い。ただし、数字列の意味は印刷所固有のルールに依存するため、年次を断定する根拠としては扱わず、版の相互比較に用いるのが妥当である。
右下には「W.u.E.」のような略号も見受けられ、これは印刷所名または内部の製版・印刷工程を示す記号である可能性が高い。校了位置に近い下端への配置、他情報との字詰めの仕方などから、冊子制作の生産管理を意識した奥付設計であることが読み取れる。

表:背面に記載された主な表示と意味

表示(原文の例)意味・用途の概略実務上の読み方
FRANKE & HEIDECKE BRAUNSCHWEIG発行主体と拠点表示企業クレジットとして必須
Rolleiflex / Rolleicord ロゴブランド体系の明示シリーズ横断の案内役
D.B.P.ドイツの特許表示技術の独占保護を示唆
D.B.G.M.ドイツの実用新案件改良発明の迅速保護
U.S. pat. +番号群米国特許の明示輸出・販売先での権利主張
Brit., France, Schweiz, Jap. pat.他国特許の網羅記載国際流通への配慮
Brev. s.g.d.g.仏法由来の免責注記歴史的慣行の名残
Pat. pend.出願中の技術の表示牽制・周知の両立
Printed in Germany印刷地の明示品質・真正性の訴求
1255 / W.u.E.版・印刷所の識別記号ロット追跡・内部管理

総括:ローライコードV 取扱説明書の価値

ローライコードV取扱説明書は当時のデザイン思想や国際市場を意識した特許表示、そしてドイツ製造の信頼性を伝える貴重な資料である。表紙の図版や発行元のクレジットは製品の正統性とブランドの一貫性を示す要素であり、奥付に残された印刷コードや記号は制作年代や流通の背景を探る手掛かりとなる。

以下に記事全体の要点をまとめる。

  • 表紙は実用ガイドとしての性格を明快に示す
  • グレー基調と斜線で工業的な精密感を演出
  • 精緻な線画が操作部位の予習を可能にする
  • 発行元と拠点表示で資料的信頼性を担保する
  • ロゴ並記がシリーズ横断の一貫性を伝える
  • 多法域の特許表示で国際展開の姿勢を示す
  • D.B.P.とD.B.G.M.の併記で権利範囲を可視化
  • Printed in Germany表記が真正性を補強する
  • 版コード類は制作年代比較の手掛かりとなる
  • 実用とブランディングを両立した好例である
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