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Yashica 44LM/ヤシカ44LM

The Yashica 44LM is a compact twin-lens reflex camera introduced in the late 1950s, distinguished by its 4×4 format using 127 film. As a model equipped with a built-in exposure meter, it is often regarded as the culmination of the series, praised for combining ease of use with functionality. With its classical appearance and medium-format image quality, while remaining highly portable, it continues to enjoy strong popularity among collectors and film photography enthusiasts today.

Yashica 44LMは1950年代末に登場した小型二眼レフカメラであり、127フィルムを使用する4×4判フォーマットが特徴である。露出計を内蔵したモデルとしてシリーズの完成形とも言われ、扱いやすさと機能性を兼ね備えている点が評価されてきた。クラシカルな外観と中判らしい描写力を持ちながら携帯性に優れ、コレクターやフィルム写真愛好家の間で今も高い人気を誇る。

館長の購入記録
・購入日:2025/07/27
・購入場所:Yahoo!オークション
・購入価格:¥2,829

DATA/データ

  • Manufacturer: Yashica Co., Ltd.
  • Model: Yashica 44LM
  • Film Format: 127 roll film, 4×4 cm frame size
  • Lens: Yashinon 60mm f/3.5 (taking and viewing lenses)
  • Shutter: Copal SV leaf shutter
  • Shutter Speeds: B, 1–1/500 sec
  • Aperture Range: f/3.5–f/22
  • Focusing Range: Approx. 1 m to infinity
  • Exposure Meter: Built-in selenium cell (no battery required)
  • Weight: Approx.700g (varies slightly by unit)
  • Production Period: Circa 1959–1962

Yashica 44LMの基本情報と魅力

  • レンズの特徴と描写力
  • シャッタースピードの仕組み
  • 露出計の精度と使い方

レンズの特徴と描写力

44LMは127フィルムの4×4判に最適化された標準60mm F3.5を備える中判TLRである。焦点距離60mmは4×4判での画角がやや準標準寄りとなり、人物からスナップまで癖の少ないパースを生む。レンズ名は多くの個体でYashinon表記だが、資料によれば44LMのYashinonは三枚玉タイプとされ、開放では周辺のコントラストが緩み、F5.6〜8で解像と階調が均整する性格を示す。コーティングは反射を抑え、逆光下でもフレアの立ち上がりが穏やかである。撮像面が6×6判より小さい4×4判であるため、同じ60mmでも被写界深度はやや深く扱いやすい。撮影距離は約1m前後から無限遠までをカバーし、ファインダースクリーン上での焦点確認もしやすい。以上の点から、持ち出しの軽快さを損なわずに中判らしい立体感と滑らかな諧調を得られることが、このモデルの描写上の強みと言える。

シャッタースピードの仕組み

シャッターはコパルSVのレンズシャッターを採用。作動音と反動が小さく、低速でもブレを抑えやすいのが利点である。速度域はBから1/500秒までを刻み、日中の屋外での絞り開放や三脚を併用した長秒撮影まで幅広く対応する。シャッターと絞りはレンズ前面のリングで独立操作でき、指標も視認性が高い。レリーズは前面下部でストロークが短くテンポよくシャッターを切れる。フィルム巻き上げはノブ式で巻き止め機構と連動して多重露光を防ぐ構造になっている。1コマごとに適正距離が確実に送られるため、127フィルムの限られたコマ数でも無駄がない。速度精度は個体差が出やすい年代物であるため、重要な撮影前には作動チェックや整備履歴の確認が安心につながる。

露出計の精度と使い方

LMの名が示すとおり44LMはセレン光電池式の露出計を内蔵する。仕組みは指針式の読取でASA(DIN)感度をセットし、受光窓で測光した値に合わせてシャッター速度と絞りを選ぶセミ連動型である。露出計の回路は電池不要で即応性に優れる一方、セレン素子は経年で感度低下を生じやすい。実用で使う場合は晴天・日陰など数条件で外部露出計やデジタル機の測光と突き合わせ、指針のずれ量を把握しておくと運用が安定する。指針が動かない、あるいは高照度でしか反応しない個体は整備対象である。露出計を使わず、露出表やEV目盛りを基準に運用してもよい。ファインダーを覗いたまま指標が読みやすい点は街撮りのテンポの良さにつながる。

主要スペック早見表

項目内容
フィルム127ロール 4×4判 12枚撮り
レンズ60mm F3.5(Yashinon表記が一般的)
シャッターコパルSV(B〜1/500秒)
フォーカス約1m前後〜無限遠
露出計セレン式 指針読取型 内蔵

Yashica 44LMの歴史と価値

  • 製造年と発売当時の背景
  • フィルム規格と入手方法
  • コレクター市場での評価

製造年と発売当時の背景

44シリーズは127フィルムで4×4判を撮れる小型TLRの系譜であり、1950年代後半の“ベビーTLR”需要に応えて展開された。44(クランク巻き上げ)を皮切りに簡素化モデル44A(ノブ式)が登場し、その発展形として露出計を積んだ44LMが1959年頃から生産された。巻き上げ形式は44Aと同じノブ式に統一され、外装は上部にLMバッジと測光窓を備える独特の意匠となった。小型化と機能性を両立させた点は当時の市場で競合したベイビーローライに対する実用的解であり、扱いやすさに寄与した。生産はおおむね1962年前後までとされ、以後は6×6判TLRや35mmレンジファインダー・一眼レフが主軸になっていく。

当時は「Baby Rollei」のような小型 TLR が欧米で人気を博しており、日本のカメラメーカーもそれに対抗して類似の小型127フィルムカメラの開発が進められていた。Yashica 44はそうした潮流の中の一つ。

44/44A/44LMの比較

モデル巻き上げシャッター最高速露出計備考
44(初代)クランク1/500秒なし端正な意匠
44Aノブ約1/300秒なし簡素化モデル
44LMノブ1/500秒あり(セレン式)LMバッジ装備

※レンズ名は44/44AでYashikor表記が多く44LMではYashinon表記が一般的であるが、44LMのレンズ構成は三枚玉であるとする検証がある。

類似機種との比較・関係

Yashica 44を語る上でしばしば比較されるモデル・類似点を整理する。

比較対象類似点
Baby Rollei小型 TLR、127フィルムを使用、外観のスタイル(色/金属/革貼り)などで似ている。
通常の中判(6×6)TLR(例 Yashica-Mat)レンズや光学系、操作系で共通部分があるものの、フィルムフォーマット・サイズ・コストで差が大きい。

Baby Rolleiの製造元であるドイツの「Franke & Heidecke社」に米国で訴訟を起こされたこともあり、Yashicaは一定のデザインや色に関して制限を受けたという説がある。特に最初のグレー色のボディ、外観が Baby Rolleiに似ていたため。

フィルム規格と入手方法

使用フィルムは127判で撮影サイズは4×4cmの正方形である。1本で12枚撮影でき、6×6判よりもコマあたりのフィルム面積は小さいが中判らしいトーンを楽しめる。現在も127フィルムは限定的ながら流通があり、白黒・カラーともに小規模メーカーや専門店で入手可能だ。国内外の写真用品店のオンライン在庫、海外通販、フィルム専門コミュニティを併用すれば調達は現実的である。中古スプールを再利用する運用が基本となるため、空スプールの確保と保管を習慣にしたい。現像は受け付けるラボが限られるため事前に対応可否と料金、納期を確認する。自家現像を行う場合は幅46mmのフィルム幅に適合するリールやガイドが必要になる。

コレクター市場での評価

44LMは小型TLRの完成度と内蔵露出計という希少な組合せから、コレクションと実用の両面で需要がある。価格は外装の状態、シャッター精度、露出計の作動、ファインダーの清潔さ、貼り革や塗装の保存状態、純正キャップやケースの有無で大きく変動する。グレー系の上品な配色とLMバッジの存在感は展示映えがよく、程度の良い個体は高値が付きやすい。市場では整備済みの個体が安定した満足度をもたらす傾向にあり、未整備の手頃な個体を入手する場合は整備費用を見込んだ総額で判断するのが妥当である。希少色や付属品完備のセットは将来的な資産価値の側面も期待できるが、露出計の健全性やシャッターの粘りがないかなど実用面の確認を優先したい。

総括:Yashica 44LMの魅力と価値

Yashica 44LMは127フィルムを用いた4×4判の小型二眼レフとして、シリーズの集大成に位置づけられるモデルだ。クラシカルなデザインと携帯性の良さは、撮影機材としてだけでなくコレクションの対象としても魅力的であり、現在もフィルム写真愛好家やカメラコレクターから根強い支持を集め続けている。

以下に記事全体の要点をまとめる。

  • 露出計搭載の小型TLRで127の4×4判に対応
  • 60mmF3.5の標準画角で素直な立体感が得られる
  • コパルSVの静粛な作動で手持ち撮影に強い
  • 速度域はBから1⁄500秒までを広くカバー
  • 127フィルムは専門店で限定的に入手可能
  • ノブ巻き上げで確実に送る実直な操作感
  • セレン式露出計は経年変化を前提に点検が要る
  • 整備済み個体は実用とコレクションを両立
  • 44や44Aとの比較で装備と機能の完成度が高い
  • 小型中判として携行性と描写のバランスが秀逸

(参照:【Yashica 44LM Instruction Manual(PDF)】 – 【https://www.cameramanuals.org/yashica_pdf/yashica_lm_44.pdf】)
(参照:【Yashica 44 Camera Models(Yashica TLR研究サイト)】 – 【https://yashicatlr.com/44Models.html】)
(参照:【127 Film – Film Photography Project Store】 – 【https://filmphotographystore.com/collections/127-film】)

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