In the late 1950s, the Ricohmatic 44 emerged as a compact twin-lens reflex camera that used 127 film in the 4×4 cm format. Despite its small size, it featured a high-quality lens and an original design, attracting attention from photography enthusiasts of the time. With its exposure-simplifying mechanism and unique viewfinder construction, it stood apart from conventional twin-lens reflex models.
1950年代後半、コンパクトな二眼レフとして登場したリコーマティック44は127フィルムを使用する4×4cm判カメラだ。小型ながら本格的なレンズと独創的なデザインを備え、当時の写真愛好家から注目を集めた。露出を簡便化する仕組みやユニークなファインダー構造など、従来の二眼レフとは一線を画す特徴を持つ。
館長の購入記録
・購入日:2025/07/12
・購入場所:mercari
・購入価格:¥10,600

DATA/データ
- Manufacturer: Riken Optical Co., Ltd. (later Ricoh)
- Model Name: Ricohmatic 44
- Release Year: September 1959
- Film Format: 127 film, 4×4cm (40×40mm image size)
- Taking Lens: Riken Ricoh 60mm f/3.5, 3 elements in 3 groups
- Viewing Lens: Ricoh Viewer 60mm f/3.5, 3 elements in 3 groups
- Shutter: Seikosha special shutter, 1/25–1/200 sec (automatic program selection)
- Dimensions: 63×156×78mm
- Original Price: ¥12,000 (with case)
リコーマティック44の基本情報と特徴
- 概要と歴史的背景
- スペック詳細を分かりやすく解説
- デザインとユニークな操作を紹介
概要と歴史的背景
リコーマティック44は1959年9月に発売された127フィルム使用の二眼レフである。1958年のリコー スーパー44に続く4×4cm判シリーズで当時盛り上がりを見せた「ベスト(127)フィルム」×スライド鑑賞文化の波に対応した小型TLRという位置づけで登場した。最大の特徴は露出の自動化をうたった“定点式メーター連動”で、絞りやシャッター速度をユーザーが個別に調整しない運用を前提に設計されている点である。加えてファインダーフードに切り抜きフレームを備える透視式(コンツール式)ファインダーや前面カバーがそのままケースとして機能する筐体デザインなど、当時として先鋭的な発想を複数盛り込んでいる。これらの要素により、既存の6×6判TLRとは異なる軽快な撮影体験を志向したモデルと評価できる。
スペック詳細を分かりやすく解説
本機は127フィルムを用いる4×4cm判で画面実寸は40×40mmである。撮影レンズはリケン リコー60mm F3.5の3群3枚構成、ビューレンズも60mm F3.5の同構成で揃えられている。シャッターは精工舎特注で1/25・1/50・1/100・1/200秒をフィルム感度に応じて自動選択する。絞りとシャッターの任意調整は行わず、ユーザーはASA設定とフレーミング、ピント合わせを中心に扱う思想である。外形寸法は幅63mm×高さ156mm×奥行78mm、ボディカラーはグリーングレーを基調に前面に白いシースルーカバーを備える外観が識別点となる。

当時の販売価格はケース付きで12,000円であった。
スペック表(主要項目)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| フィルム | 127(ベスト)/ 4×4cm判 |
| 画面サイズ | 40×40mm |
| 撮影レンズ | リケン リコー 60mm F3.5 3群3枚 |
| ビューレンズ | リコービューワー 60mm F3.5 3群3枚 |
| シャッター | 精工舎特注 1/25–1/200秒 自動選択 |
| 露出方式 | 定点式メーター連動(絞り・速度の手動調整なし) |
| ファインダー | コンツール式透視ファインダー(フード切り抜き) |
| 外形寸法 | 63×156×78mm |
| 当時価格 | 12,000円(ケース付き) |
デザインとユニークな操作を紹介
フード上のフレームを用いた透視式ファインダーは動体やスナップで視界が広く取りやすい。前面カバーを開くと撮影状態となり、閉じればケースとして機能する構造は携行性と保護性を両立させる意図が読み取れる。側面にはASA設定を担う操作子が配され、感度に応じてプログラム露出の基準が切り替わる。巻上げとピントノブはコンパクトTLRらしいシンプルさで、6×6判に比べて軽快なテンポで撮影できる。見た目の特徴として、グリーングレーの外装に白い前面カバーのコントラストが強く、コレクションとしての存在感も高い。露出の自由度をあえて限定し、簡便さを優先する思想が隅々に現れている点が本機の個性である。
リコーマティック44の評価と価値
- Ricoh Super 44との比較を解説
- 市場価値と販売価格の動向
- コレクター向けアドバイスをまとめる
Ricoh Super 44との比較を解説
直接の姉妹機にあたるのが1958年12月発売のリコースーパー44である。両機は127フィルムの4×4cm判、60mm F3.5の3群3枚レンズ、ほぼ同一の外寸を共有する一方、露出思想とシャッターに大きな差異がある。スーパー44はシチズンMVシャッターを採用し、B・1–1/400秒に加えてセルフタイマーを備える。対してリコーマティック44は精工舎特注シャッターで1/25–1/200秒の自動選択であり、撮影者による能動的な速度・絞り合わせを不要とした。価格も当時9,800円(スーパー44)に対して12,000円(リコーマティック44)で、利便性とデザイン性を強調した上位的立ち位置を担ったと解釈できる。



手動露出で細かく追い込みたいならスーパー44、簡便なプログラム運用を重視するならリコーマティック44という棲み分けになる。
比較早見表
| 項目 | リコーマティック44 | リコースーパー44 |
|---|---|---|
| 発売 | 1959年9月 | 1958年12月 |
| フィルム/判 | 127 / 4×4cm(40×40mm) | 同左 |
| レンズ | 60mm F3.5 3群3枚 | 同左 |
| シャッター | 精工舎特注 1/25–1/200(自動) | シチズンMV B・1–1/400(手動) |
| 露出思想 | メーター連動による簡便運用 | 手動で自由度高い運用 |
| 当時価格 | 12,000円(ケース付) | 9,800円(ケース付) |
| 質量 | 不詳 | 約1000g |
市場価値と販売価格の動向
コレクター市場での評価は状態・付属品・作動の確実性・外装の色調保持などによって大きく変動する。露出機構が自動化されている本機では、ASA連動部とシャッターの動作精度が価値を左右しやすい。前面カバーの透明部に黄変やひびがない個体は見映えが良く、写真資料としても映えるため評価が上がる傾向がある。過去の国内外フリマやオークションの動向を見ると、完動・美品・箱付きは高値、整備前提や難有りは控えめな価格帯といった幅広いレンジで推移している。なお、127フィルムは現在では流通量に制約がある場合があるため、実写を想定する場合は在庫状況と現像受け入れ先の確認が準備段階の鍵となる。
コレクター向けアドバイスをまとめる
入手検討時は、まずシャッターの全速度での切れ方とメーター連動の反応を確かめよう。ファインダーフードの開閉と透視フレームの変形、前面カバーのロック機構の健全性もチェックポイントだ。レンズは前玉・後玉ともにクモリやバルサム切れ、拭き傷の有無を光学的に確認する。巻上げやピントノブのトルクに異常がないか、ダークシーリングの劣化が進んでいないかも併せて点検したい。外装色は個体差が出やすいため、同系色のパーツ交換品でないか写真と実機で照合すると安心である。実写を楽しむ場合は127フィルムの入手経路と現像スキームをあらかじめ計画に組み込むと運用が円滑になる。保管時は前面カバーを閉じ、乾燥剤とともに湿度管理を行うことが長期保存の基本である。
総括:リコーの技術的挑戦!リコーマティック44



リコーマティック44は小型ながら本格的な光学性能と独創的なデザインを併せ持つモデルである。露出を自動化する仕組みやユニークなファインダー構造は従来の二眼レフと一線を画し、写真文化の転換期に新しい撮影スタイルを提案した存在といえる。現在では流通量が限られているが、収集対象としての価値と実用的な魅力を兼ね備え、当時の技術的挑戦を色濃く伝えるカメラとして高い評価を受けている。
以下に記事全体の要点をまとめる。
- 1959年登場の4×4cm判二眼レフとして小型軽快を実現
- 露出を自動化する定点式メーター連動が操作を簡便化
- 精工舎特注シャッターで1/200秒まで自動選択
- 60mmF3.5三群三枚の対称設計で写りは素直な描写傾向
- 透視式ファインダーと独創的なカバーデザインが魅力
- 当時価格は12,000円で上位志向の位置づけ
- スーパー44は手動露出で表現自由度を確保
- 購入時は露出連動とシャッター作動の確認が必須
- 127フィルムの入手体制を事前に整えると運用が安定
- コレクション性と実用性を両立する選択肢となる
(参照:リコマチック 44|リコーカメラ全機種リスト – https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera/cameralist/ricomatic44.html)(参照:リコー スーパー44|リコーカメラ全機種リスト – https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera/cameralist/ricohsuper44.html)(参照:カメラの画面サイズとフィルムシステムの変遷 – https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera_lib/column/film.html)




