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【120フィルムと二眼レフ】ブローニーフィルムの特徴と由来

二眼レフカメラを語るうえで欠かすことのできない存在が「120フィルム」である。

日本では一般に「ブローニーフィルム」と呼ばれることも多く、ローライフレックス、ローライコード、ヤシカフレックス、ミノルタフレックスなど数多くの二眼レフカメラに採用されてきた。

35mmフィルムよりも大きなフィルム面積を利用できることから、高精細で豊かな階調表現を得られるのが大きな特徴だ。デジタルカメラが主流となった現在でも120フィルムは製造・販売されており、中判フィルムカメラを楽しむための現役規格として生き続けている。

この記事では二眼レフカメラと深い関係を持つ120フィルムについて、その歴史や構造、サイズ、撮影枚数「ブローニー」という呼称の由来まで詳しく紹介する。

■記事のポイント

  1. 120フィルムとはどのようなフィルムか
  2. 「120」と「ブローニー」の意味と由来
  3. 120フィルムの構造と裏紙の役割
  4. 二眼レフカメラと120フィルムの深い関係

120フィルムの歴史と特徴

  • 120フィルムとは
  • 「120」は120mmという意味ではない
  • 120フィルムの登場
  • なぜ「ブローニーフィルム」と呼ばれるのか
  • 120フィルムの構造
  • 裏紙に書かれた数字の意味

120フィルムとは

120フィルムは中判カメラで広く使用されてきたロールフィルム規格である。

フィルムは遮光用の裏紙とともにスプールへ巻き付けられており、35mmフィルムのような金属製のパトローネには収納されていない。

フィルムの幅はおよそ61mmで「6×6判」「6×7判」「6×9判」などの名称にある「6」は、このフィルム幅を利用した画面サイズに由来する。

現在でも120フィルム用の裏紙は61.5mm幅のものが扱われており、120規格が約6cm幅のロールフィルムであることが分かる。

「120」は120mmという意味ではない

初めて120フィルムを知った人が誤解しやすいのが「120」という数字だ。

120フィルムという名称はフィルム幅が120mmであることを意味しているわけではない。

実際のフィルム幅は約61mmであり「120」はコダックがロールフィルムの各規格を区別するために用いた規格番号なのだ。

したがって、

120フィルム=120mm幅のフィルム

ではないので注意したい。

120フィルムの登場

120フィルムは20世紀初頭に登場し、その後、中判ロールフィルムを代表する規格へと発展していった。

その背景には19世紀末から急速に進んだロールフィルムの普及がある。

ジョージ・イーストマン氏は写真材料の支持体をガラス乾板から、より軽量で扱いやすいロール状の材料へ移行させる研究を進めた。

コダックは1889年に商業用透明ロールフィルムを市場へ投入し、1900年には安価なBrownie Cameraを発売した。これらの動きによって、写真は専門家だけのものから一般の人々が楽しめるものへと大きく変化していった。

こうしたロールフィルム文化の発展のなかで生まれた規格のひとつが120フィルムである。

補足|ジョージ・イーストマンとは?
ジョージ・イーストマン氏(George Eastman、1854–1932)はアメリカの実業家であり、イーストマン・コダック社の創業者である。ロールフィルムや扱いやすいカメラの普及を通じて写真を一般の人々へ広めることに大きく貢献した。

なぜ「ブローニーフィルム」と呼ばれるのか

日本では120フィルムを「ブローニーフィルム」と呼ぶことが非常に多い。

この「ブローニー」という呼称はコダックのBrownie Cameraに由来する名称として日本で定着したものである。

ただし、国際的なフィルム規格名はあくまで「120 film」である。

そのため、

  • 正式な規格名:120 film
  • 日本で広く使われる通称:ブローニーフィルム

と考えておくと分かりやすい。

海外でフィルムを購入したり英文資料を調べたりする場合は「Brownie film」ではなく「120 film」とした方が通じやすい。

120フィルムの構造

120フィルムの大きな特徴のひとつが、フィルムと「裏紙(Backing Paper)」を重ねてスプールへ巻き付ける構造である。

35mmフィルムではフィルムがパトローネの内部に収納されているが、120フィルムには基本的にこのようなパトローネが存在しない。

代わりに裏紙がフィルムを覆い、外光から感光面を保護している。

撮影前のフィルムをカメラへ装填し、撮影を終えるとフィルム全体が反対側の巻き取りスプールへ移動する仕組みである。

このため120フィルムを使用するカメラでは、撮影を終えたあとに空になったスプールを次のフィルムの巻き取り側へ移して使用する。

この独特の操作も120フィルムを使用するクラシックカメラの楽しさのひとつである。

裏紙に書かれた数字の意味

古い二眼レフや中判カメラにはカメラ背面に赤い小窓が設けられているものがある。

ここから確認するのが120フィルムの裏紙に印刷された撮影位置を示す数字である。

フィルムを巻き上げながら小窓に規定の数字を合わせることで、次の撮影位置までフィルムを送ることができる。

後年の二眼レフでは自動巻き止め機構やフィルムカウンターを備えた機種も増えたため、撮影のたびに裏紙の数字を直接確認する必要はなくなっていった。

しかし、裏紙そのものは120フィルムの重要な構成要素として残っている。

二眼レフカメラと120フィルム

  • 画面サイズによって撮影枚数が変わる
  • 二眼レフでは6×6判が代表的
  • すべての二眼レフが120フィルムではない
  • 35mmフィルムとの大きさの違い
  • 120フィルムは現在も使用できる
  • 120フィルムと二眼レフの魅力

画面サイズによって撮影枚数が変わる

120フィルムの面白いところは、同じフィルムを使用してもカメラによって一コマの大きさが異なる点である。

代表的な画面サイズと1本あたりの撮影枚数の目安は次の通りである。

画面サイズ一般的な呼称撮影枚数の目安
6×4.5cm645判15~16枚
6×6cm6×6判12枚
6×7cm6×7判10枚
6×8cm6×8判約9枚
6×9cm6×9判8枚

現像サービスでも120フィルムについて、6×4.5判15枚、6×6判12枚、6×7判10枚、6×9判8枚といった区分が用いられている。

つまり「120フィルムだから12枚撮影できる」のではない。

使用するカメラの画面サイズによって撮影可能枚数が変化するのである。

二眼レフでは6×6判が代表的

二眼レフカメラを代表するフォーマットといえば、やはり6×6判である。

ローライフレックスやローライコードをはじめ、20世紀に登場した数多くの二眼レフカメラが120フィルムによる6×6判撮影を採用した。

6×6判では1本の120フィルムから通常12コマを撮影できる。

正方形の画面は縦位置・横位置という概念に縛られにくく、ウエストレベルファインダーを上から覗いて撮影する二眼レフとの相性も良い。

現在「二眼レフらしい写真」としてイメージされる正方形の写真は、この120フィルムと6×6判の組み合わせによって生まれたものなのである。

すべての二眼レフが120フィルムではない

ここで注意したいのが、二眼レフカメラだからといって必ず120フィルムを使用するわけではないことである。

二眼レフには120以外のフィルムを採用した機種も存在する。

代表的なのが127フィルムを使用する4×4判の二眼レフである。

「ベビーローライ」と呼ばれるRolleiflex 4×4やYashica-44などがその代表例であり、一般的な6×6判二眼レフよりも小型の画面を使用する。

そのため、古い二眼レフを入手した場合は「二眼レフだから120フィルムだろう」と判断せず、その機種が対応しているフィルム規格を確認することが重要である。

35mmフィルムとの大きさの違い

一般的な35mmフィルムの画面サイズは24×36mmである。

これに対して120フィルムを使用する6×6判では、それよりはるかに大きな面積を撮影に利用できる。

この大きなフィルム面積によって、細部の描写や滑らかな階調表現を得やすいことが中判フィルムの魅力である。

一方で一コマが大きいということは1本から撮影できる枚数が少ないということでもある。

6×6判なら基本的に12枚。

35mmフィルムの24枚撮りや36枚撮りと比べれば、シャッターを切れる回数はかなり少ない。

しかし、その制約こそが一枚一枚の構図や露出を慎重に考えるフィルム撮影独特の楽しさにつながっている。

120フィルムは現在も使用できる

120フィルムはクラシックカメラ専用の過去の規格ではない。現在でも中判フィルムカメラ用の現役規格として流通している。

そのため、数十年前に製造された二眼レフであっても、シャッターやレンズ、フィルム送り機構などが正常に機能していれば、現在販売されている120フィルムを装填して撮影できる機種は多い。

これは二眼レフカメラを楽しむうえで非常に重要なポイントである。

カメラが単なる展示物として残っているのではなく、100年以上の歴史を持つフィルム規格が現在まで受け継がれていることで古いカメラを現役の撮影機として使うことができるからである。

120フィルムと二眼レフの魅力

120フィルムをスプールに取り付け、裏紙を送り、スタート位置を合わせ、フィルムを巻き上げる。ウエストレベルファインダーを覗き込み、ピントを合わせ、シャッターを切る。

撮影できる枚数は決して多くない。

しかし、この一連の操作そのものが二眼レフ撮影の魅力でもある。

デジタルカメラではほとんど意識することのなくなった「一枚の写真を撮影するまでの工程」が、120フィルムを使用する二眼レフには色濃く残されている。

120フィルムは単なる記録媒体ではない。

ローライフレックスをはじめとする数多くの二眼レフカメラを支え、正方形写真という独特の写真文化を育ててきた重要な存在なのである。

まとめ:120フィルムと二眼レフカメラ

120フィルムは二眼レフカメラの歴史を語るうえで欠かせないロールフィルム規格だ。6×6判との組み合わせは二眼レフを象徴する存在となり、現在でもローライフレックスやローライコードをはじめとする往年のカメラで撮影を楽しむことができる。100年以上にわたって受け継がれてきた120フィルムは二眼レフを過去のカメラで終わらせず、現在も実際に写真を撮ることのできる道具として生かし続けている。

  • 120フィルムは中判カメラを代表するロールフィルム規格
  • 日本では「ブローニーフィルム」の呼称が広く定着
  • 「120」はフィルム幅120mmという意味ではない
  • フィルム幅は約61mm
  • フィルムと裏紙をスプールに巻いた構造を持つ
  • 画面サイズによって1本あたりの撮影枚数が異なる
  • 二眼レフでは6×6判・12枚撮りが代表的
  • すべての二眼レフが120フィルムを使用するわけではない
  • 120フィルムは現在も製造・販売されている
  • 二眼レフの写真文化を支えてきた重要なフィルム規格

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